2008年06月27日
■グランピアン山脈を越えて

スペイサイドの町、ダフタウンで旅の仲間といったん別れて、
Ibarakiさんと共に、グランピアン山脈を越えていった。
山越えの細い国道は地形に沿って造られている。
ニッポンの道路をイメージしていると、
ガツンとカルチャーショックに襲われる。
大地に張り付くような道は、
あくまでも地形のままに上下し、左右にふれるので、
視界は妨げられ、結果、動物も犠牲となる。
道端のあちらこちらに、ウサギがはねられている。
気の毒に思っていると、やがて犠牲者は、
ウサギから羊へと変わってゆくのであった。
スコットランドの支配者は、
幾度かに及ぶ、エンクロージャー(囲い込み)で、
農民を追い遣り、広大な土地は、羊の牧場となった。
そこで、遠隔地で暮らす地主は、ジェントルマンとなり、
土地を追われ難民となり、都市部へ流入した農民は、
やがて新大陸を目指した。
牧畜によるテリトリー争いの宿命と植民地化。
その原点が風景の中に見えてくる。
大地は、徹底的に羊に食い尽くされ、荒涼とした風景となった。
それで、わずかに残された森を、ネイチャートレイルとか言って大切にし、
庭の芝生も、カーペットのように大切に扱う。
スコットランドの風景は環境破壊の姿そのものなのだ。
その結果、「道路」も「ゴルフ場」も、「ありのまま」という考えに至ったのであろう。
食い尽くすだけ、食い尽くす、生活基盤の習い性は、
常に新たなシステムや、場所を編み出さねばならない。
ここに、事物の数値化は浸透し、産業革命は起こり、
そしてこの西欧の「近代化」は、壊滅的な戦争に帰結しつつ、
加速度的に世界を駆け廻っていまに至る。
・・・木々が失われた大地は、一面の「ヒース」に覆われ、
やっと白樺の林が見えて、ほっとすると、
その木々の根元は、既にヒースに覆われているのであった。
そんな光景を眺めるたびに、
「アイアムヒースクリフ」
という「嵐が丘」の一節を思い出していた。

Posted by バイヤー君 at 13:57│Comments(0)
│■JOURNY





