2008年07月20日
■根室名物「オランダせんべい」

根室の駅で、
根室観光みやげ「名物オランダ せんべい」という、
ドッヂボールを小さくしたような、アミに入った、
お皿ほどの大きさの、モノを目にして、
「これはいったい何なのだ」と捉われて買ってしまった。
「せんべい」と書かれたそれは、まるで「せんべい」の常識をくつがえす、
湿気たダンボールのようなと言っては失礼かもしれないが、
それが、なかなか独特な、素朴な味わいなのである。
たしかに「日本唯一軟煎餅」と書かれている。
表示に偽りナシなのだ。
カタチはむしろ、でっかいワッフルのようであるが、
モチモチのその食感は、ワッフルのようなヤワなモノを、
もともと嗜好してはおらず、
あくまでも「和」の風味に甘く寄り添い、
「おせん」に留まりたいから「せんべい」なのであろう。
しかし形状・食感ともに「せんべい」の風体には程遠い、
その「オランダ せんべい」をワイルドに齧れば、
「何故、これがオランダなのか」という、素朴な疑問も沸き起こり、
これを食べた通りすがりの旅人は、
誰もニワカ雑学者になってしまうのであろう。
それぞれ独自な名称を騙っても、「お菓子」には所詮出所があるものだが、
ちょっとインターネットで「おらんだせんべい」を調べれば、
遠く長崎は平戸の観光みやげ「おらんだ焼」、
富山のお菓子屋さんの「おらんだ焼」。酒田の「オランダ せんべい」等々、
いにしえの日本海をゆく北前船の航路のとおりに、
いまでもその土地その土地に根付く伝承の痕跡を垣間見る事が出来る。
「椿考」(柳田國男)や「おけさ伝承」ならば、
「椿」の花や、「おけさ節」は、青森県の十三湖あたりまでであったが、
♪長崎から船に乗って 神戸に着いた ここは港町 女が泣いてます
なんていう五木ひろしの流行歌もあったが、
「オランダ せんべい」は、長崎から船に乗って、
遠く転々と、アジアの極東、最果ての根室の街までたどり着いた訳だ。
そしてながい伝承の旅路を物語るように、
たしかに「日本唯一軟煎餅」として、
唯一無二の独特の存在感を獲得したのであろう。
Posted by バイヤー君 at 22:27│Comments(0)
│■FOOD





