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2008年08月15日

■「十勝ダルマ」の謎。



近所の民芸品店で、
黒耀石の小石で出来た、ダルマの置物を見つけた。

・・・いまの時代には全くそぐわない、そのダルマを、
いったい誰が、根詰めて造ったのであろうか・・・。
そんな思いが、瞬時閃いて、つい買ってしまった。
やはり、バイヤーは買い物好きなのだ。

黒耀石は、北海道では十勝地方で多く産出しているので、
「十勝石」とも呼ばれる。

先住民族のアイヌも、
黒耀石の鏃を武器とする十勝アイヌは、いくさに強かったのだという。
トカチの語源も、そんなトカチアイヌの凶暴を忌み、
「トウカプチ」=幽霊。「トクアチ・モシリ」等から来ているという(永田方正)説もあり、
それで、十勝(じゅっしょう)と書いて、十勝(トカチ)と呼ぶのかどうか知らないが、
十勝ダルマには、「全てに勝つ」という縁起があるらしい。

一般には「十勝」の語源は、アイヌ語の「トカプチ」「トウカプ」=乳の形の意。
と言われているが、はっきりしない。
「乳」=二つの峰の連なりを、「おっぱい山」と呼ぶ習慣は地元にも多く、
十勝岳連峰も西方上川地方より眺めれば、「おっぱい山」なのだ。
また、海に流れ込む河川が、二股に分かれ、
その流れからも「乳」をイメージするという説もある。
いずれにしても、大地は「母なる大地」なのだ。

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それで、「十勝ダルマ」なのだが、
そういえば、このダルマの顔も、なにやらアイヌの彫物のような顔をしている。
いったい、誰が、何時、作ったものなのだろうか。

そんな疑問も、湧いてきて、さっそくネットで、「十勝ダルマ」を調べると、
なんと、この「十勝ダルマ」は、
むかしから、「日本三大珍品玩具」
として、珍重されていた事が判った。

そんな事、ちっとも知らなかった。
地元の人に聞いても、戦後生まれの周囲の人は、そんな事は誰も知らない。

■「日本三大珍品玩具」とは

  【山口県岩国市の岩国石人形】
  これは「ニンギョウトビケラ」という水生昆虫の巣が、
  水中の小石に付着して、その巣が「ニンギョウ」のような形を成す。 

  【鹿児島の鈴懸け馬】
  これは「桜島噴火の軽石」から削り出した「馬の人形」とあるが、既に現存しない物らしい。
 
  そして、
  【北海道の十勝ダルマ】
  これは「黒耀石」を彫って、ダルマさんにした置物。なのだ。

この珍品玩具なる特性は、都からはるか遠隔地で造られ、
また素材が、共に代用できない、自然界の賜物であるという共通点からも、
なるほど、言われて見れば、「珍品」であることにじゅうぶん納得がゆく。

むかし「ニッポン三大何とか」といって、全国の名所・旧跡から、
名産品・特産品・名物などを集約したのであろうが、
それが何時ごろの流行コトバなのか、いまでは知る由もない。

しかし、現在でも山口県岩国市では、
この「岩国石人形」が現役で珍重されているらしく、ネットに登場している。
それで、「日本三大珍品玩具」としての、
「十勝ダルマ」の存在を再認識した訳なのだ。

それで、また「十勝ダルマ」だが、
民芸品店当主の坂本さんに、その由緒を聞くことが出来た。

100年以上前の1905年。明治の終わり頃、坂本さんのおじいさんは、
当時の十勝の中心地、池田で「坂本勝玉堂」を創業した。
その、おじいさんがプロデュースした、作品のひとつがこの「十勝ダルマ」なのだ。

黒耀石=十勝石の特性からヒントを得て、
水晶細工等で有名な郷里の山梨県の職人さんに彫ってもらったダルマ石は、
「日本三大珍品玩具」として、全国に知れ渡ったのだ。

そんな話を、坂本さんから聞きながら、
現在は観光カリスマとして「屋台村」の町おこしなどで活躍する、
坂本さんには、こうしたお祖父さんからの、
熱い「血」が流れていることも知った訳なのである。



ほんとうに灯台下暗し。
それで、また「十勝ダルマ」だが、
当然ながら、職人さんは既に鬼籍となり、
いまでは、この「十勝ダルマ」も、
在庫100余を残すのみと言うことなのだ。

偶然手にした「十勝ダルマ」。
その小さな石ころの置物は、
多くの時間と、秘められた謎さえも感じさせる、
貴重なものだったのだ。


■「十勝ダルマ」については、「坂本ビル 帯広」と検索するとよい。









この記事へのコメント
十勝の語源違うと思います。
Posted by 1 at 2008年09月08日 23:52