ウスケバ・ロゴ ウスケバ・ロゴ ウイスキー造りに欠かすことの出来ない「水」そして「樹」。自然の力が生み出す「生命の水」。

2008年08月03日

■キガラシの花が咲いています



春先に咲く、家の白木蓮の花があまり咲かないと「夏」は冷夏という
言い伝えがあります。
「ホントかなあ」と春先は、半信半疑なのですが、
ここ数年の夏の天候をみると、
言い伝えは、結果的に正しいのでした。

今年は、5月の低温で、
アスパラも、ラワン蕗も、生育が悪かったようです。
海では、昆布も育ちが悪いはずです。

十勝地方も、ここしばらく曇り空の多い
ぐずついた天候が続いています。
それで、早とちりして、紅葉し始める
未熟な木々の枝もあるのです。



それでも畑では、夏の風物詩、
キガラシの花が咲き誇っています。
そして道端では、コスモスの花が咲いています。
帯広競馬場では、ヒマワリの花が満開だそうです。

それで、今週はヒマワリを見に、
「ばんえい競馬」へ行くわけです。






  

Posted by バイヤー君 at 09:34Comments(0)■TOKACHI

2008年07月31日

■ふたたび麦畑にて



6年半に及ぶWTOの交渉が決裂した日。
十勝地方の畑は、秋撒き小麦の収穫に追われていました。

収穫後の麦ワラロールを、「麦稈」(ばっかん)と呼ぶそうです。
「麦稈」は、牛や馬の寝ワラ、牛の飼料としても使われるそうです。

北海道は国産小麦のおよそ60%を生産しているそうです。
大雑把に言って、「麦」には、
【ムギご飯・麦茶】などの六条大麦。
【ビール・モルトウイスキー・焼酎】となる二条大麦。
【パン・うどん・パスタ・菓子】となる小麦。
耐寒性が強い【パンでおなじみ】のライ麦。
そして【オートミール・家畜の飼料】の燕麦。
などがあります。

しかし、米・麦・トウモロコシ、そして大豆は、
基本的な穀物ですが、
その収穫量と消費の実態を、
ニッポン人はあまり認識していないようです。

まず、この国の食料生産と自給率の現実を、もっと知るべきです。
産地から遠い大都会では、
モノの出自が、見えにくいのも、判ります。
それでも、実態の「数字」を見ればあ然とするものがあります。

ここでは、毎日の食卓に欠かす事の出来ない、

■麦製品=パン・うどん・パスタ・ビール・お菓子などの原料。
■大豆製品=味噌・しょうゆ・納豆・豆腐などの原料。

の「食料需給表」なるものを、
大雑把ですが、以下に貼り付けます。
そしてこれは製品輸入を除く、あくまでも原材料にすぎません。

これを見れば、メディアの受売りで、やれ「無農薬」だ。
やれ「オーガニック」だ、やれ「国産」だ。
とかと、「聞いた風なことを」しゃべらないはずです。

「国産」ならすべてOKなんて言いたいのではありません。
世界を覆う食料の問題は、いま食べている、
三度の食事の現実であると言いたいのです。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

【麦】   国産    輸入   TOTAL   国産対比   国内消費量
昭和35  1,531   2,660   4,191   36.5      3,965
昭和40  1,287   3,532   4,819   26.7      4,631
昭和45   474   4,621   5,095    9.3      5,245
昭和50   241   5,715   5,956    4.0      5,578
昭和55   583   5,564   6,147    9.5      6,054
昭和60   874   5,194   6,068   14.4      6,101
平成 5   638   5,607   6,245   10.2      6,274
平成10   570   5,674   6,244    9.1      6,224
平成15   856   5,539   6,395   13.4      6,316
平成18   837   5,464   6,301   13.3      6,228

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

【大豆】   国産    輸入   TOTAL   国産対比    国内消費量
昭和35   418   1,081   1,499    27.9      1,517
昭和40   230   1,847   2,077    11.1      2,030
昭和45   126   3,244   3,370     3.7      3,295
昭和50   126   3,334   3,460     3.6      3,502
昭和55   174   4,401   4,575     3.8      4,386
昭和60   228   4,910   5,138     4.4      5,025
平成 5   101   5,031   5,132     2.0      4,999
平成10   158   4,751   4,909     3.2      4,896
平成15   232   5,173   5,405     4.3      5,311
平成18   229   4,042   4,271     5.4      4,354

 資料:農林水産省「食料需給表」より一部抜粋。







  

Posted by バイヤー君 at 21:10Comments(2)■FOOD

2008年07月29日

■YOUKOさんの店で。



久しぶりで、
YOUKOさんのお店を訪ねました。
コーヒーを飲みながら、
窓の外に拡がる、
暮れてゆく田園風景を、
ぼんやりと眺めていますと、

壁際の席で、ひとり軽食を取っていた、
ご夫人も、いつの間にか居なくなっております。

・・・ああ、もうこんな時間か。
・・・そろそろ、お暇しなくてはね。
・・・ほかに、お客も居なくなったし、ゆっくりしていきなさいよ。
と、世間話がはじまりました。

・・・そういえばあの人、その後どうしているかしら。
・・・あれ、知らないんですか。




・・・・・・・。
・・・へえ、そうだったんだ。

ぼちぼち、帰らなくてはと思いながら、
ふたたび、時計に目をやると、
なあんだ、まだこんな時間か。

・・・そんなこと、ちっとも知らなかったな。
・・・でも、あの頃、みんな若かったからね。
・・・そういえば、あの時、あんな事もあったよね。





・・・いまでは、みんな、思い出だね。

・・・ここでは、いつもこんな話をしている。
・・・そういえばそうね。

・・・止まったままの時計のせいだろうか。




・・・・・・・・・。

・・・また、いつか、お邪魔します。



  

Posted by バイヤー君 at 21:32Comments(1)■JOURNY

2008年07月27日

■「麦」に感謝のモルトを捧げる。



今日は文月最後の日曜日。
「文月」の語源には、稲穂が膨らむ月、
「穂含月(ほふみづき)」の意味もあるという事です。

十勝地方は秋蒔き小麦の収穫時期を迎えました。
郊外の麦畑は、黄金色に輝いています。

「麦」の種類の違いこそあれ、
日々「モルト」ウイスキーを愉しんでいる、
バイヤーといたしましては、
今年の稔りに、感謝を捧げなくては、
という気持ちを持って、
麦畑へ赴きました。

モルトグラスに
「Dalwhinnie」を注ぎ、
香りをたしかめて、おごそかに、願いを込めて、
麦の穂に浸す訳です。
『ことしも美味しいモルトが出来ますように』

遠くスッコットランドの村々で、
また、北海道の余市で、
ことしも多くのモルトが、
ポットスチルから誕生することでしょう。
永い樽熟成を経て、その大麦麦芽を、
モルトウイスキーとして味わう事が出来るのは、
10年も20年も先の事です。



  

Posted by バイヤー君 at 21:30Comments(1)■CLUB NEWS

2008年07月26日

■暑中お見舞い申し上げます。



     

     皆様 お元気ですか。
     TOKYO OSAKAなどでは、連日猛暑のようですが、
     TOKACHI地方の、いまの気温は20度。
     涼しいものです。しかしあまり涼しいのも、
     夏が短く終わってしまいそうで、ヘンですね。
     
     郊外では、秋蒔き小麦の刈入れが始まりました。
     蕎麦の花や、ジャガイモの花が咲き始めています。
     ・・・どうぞ、短い北国の夏を、楽しんで下さい。

  

Posted by バイヤー君 at 22:15Comments(0)■CLUB NEWS

2008年07月24日

■松浦武四郎と北海道の山 


  (松浦武四郎が登った北海道駒ケ岳が表紙の=深田久弥「瀟洒なる自然」)


CLUBでモルトを愉しんでいると、
OKUSYU会員が、今年もカムイエクウチカウシへチャレンジしたいと話していた。
OKUSYU会員は昨夏ガイドツアーで、念願のカムイエクウチカウシ登頂を果たした。
ガイドツアーなので一般ルートとは異なり、
九の沢遡行で、相当難儀して足の爪を傷めたそうだ。

――九の沢は以前、出合より少し入って、雲行きが怪しくなり、逃げ帰った事があります。
――先週もトムラウシの途中まで、散歩してきました。

そんな話をすると、OKUSYU会員に、
――バイヤーはいつも「途中」までなのですね。と笑われた。
それについては、いろいろ理由があるが、ここでは差控える。

それできょうは、松浦武四郎の「途中」までの話。 

松浦武四郎(1818-1888)は幕末から明治にかけて、
蝦夷地を探査し、「北海道」という名前を考案したのを初めとして、
アイヌ語の地名をもとに、北海道の多くの地名を選定、
また、北海道から千島・樺太に及ぶ詳細な地名図、
【東西蝦夷山川地理取調図】を残した。

16歳で戸隠山へ登って以降、全国の山を歩いた事は、近代登山の魁と言われる。
日本百名山などのブームもあって、
近年、松浦武四郎を再発見・再評価するイベント等が各地で開催されている。

一方で、その「山行」や「紀行」など、
後で書いた、フィクションも含む、
日誌や紀行文を「史実」と受止めて、
事実とは異なる著述も世間には多いということだ。

松浦武四郎の、業績が明らかになる一方で、
日記の記述と、「日誌」や「紀行文」との、
時間的整合性への疑問も起こっているのだ・・・。

  ■『江戸明治の百名山を行く ―登山の先駆者 松浦武四郎―』 渡辺 隆著
     北海道出版企画センター 北方新書2007年刊 

渡辺氏の本は、それらの疑問点を、丹念に調べあげて、
事実の場所へと導いてくれる。
じつは昨日、松浦武四郎に、ちょっと興味を持って、書店の棚で、
目に付いた、下記の新書も買い求め、
同時進行で、北海道の山々を拾い読みしたわけだ。

  ■『松浦武四郎と江戸の百名山』 中村博男著
         平凡社新書 2006年刊  

こちらは、松浦武四郎と同郷の三重県出身の著者が、
「三重の三巨人」。芭蕉・宣長・武四郎という事で、
「北海道から九州まで各地の名峰を踏破した武四郎」にスポットを当てているのだが、
二冊の本を同時に読み進めば、
北海道の、ひと山ひと山、「ちょっと待てよ」と、立ち止まることになるわけだ。

松浦武四郎は、百名山の著者深田久弥と並んで、
偉大な登山の先駆者である事に変わりはない。

しかし、半世紀前に北海道の山を廻った、深田氏も、
さらに百年前の魁・武四郎に敬意を示す一方で、半ば疑問も持っていたことは、

  ■「日本百名山」或いは、
  ■「わが愛する山々」(後方羊蹄山=しりべし山)共に新潮社刊。

などで読み取れる。

武四郎の「後方羊蹄日誌」「久摺日誌」などは未見だが、
よく知られている北海道の山々を、
渡辺隆氏の労作による、丹念な道案内で逍遥すれば、
そして、5万分の一の地図を眺めれば、
渡辺隆氏の指摘されることは、いちいち納得がゆくのである。

「大雪山(石狩岳)」 「雌阿寒岳」 「後方羊蹄山」 「雷電山」 「豊似岳」。 
松浦武四郎はこれらの山々には、何れも登頂していない。

山頂までは究められなかったが、
アイヌから聞き調べた、蝦夷地内陸部に及ぶ調査で、
今日の北海道の、多くの地名はあきらかになった。

あわただしい調査の傍ら、
武四郎は、いつも雄峰の峰峰に立つことを「夢」見ていたことであろう。
しかし、あまりにも限られた登山に適する季節。
そして天候。時間的困難はじつに多い。
それで、後ろ髪を引かれるように、
多くの山行は「途中」で引き返さざるをえなかったことであろう。
そのつよい想いが、後の「日誌」に顕れたのであろうか。

武四郎が登頂した、北海道の千メートル以上の山は、
28歳の時に登った、渡島富士の「駒ケ岳」のみという事になる。



  




  

Posted by バイヤー君 at 18:22Comments(2)■BOOK

2008年07月21日

■ワンボックスジプシー 



むかし高度成長のハシリの頃、
人々は、大きなリュックを背負い「カニ族」と云われ、北海道を旅した。
「いい日旅立ち」とか、ディスカバーJAPANとかで、
人々は、やはり北の大地、北海道を目指した。
モトクロスバイクのツーリングがはやり、
人々は、やはり夏の北海道のキャンプ場を目指した。

いまそれらの人々も、おおくは定年後を迎え、
山好きな人々は、駆け足で百名山を目指し、
またクルマで転々と北海道の夏を満喫したりしている。

夏が来ると、道の駅でも、山奥のキャンプ場でも、
全国から大都会ナンバーが集まっている。
それらのクルマには共通するパターンがある。

グラビアから飛び出したような、
如何にもブランド志向も誇らしげなキャンピングカー。
いっぽうで多いのは、所帯道具を詰め込み、
生活臭までも滲み出ているワンボックスカーだ。

どちらも、何処となく場違いな雰囲気を漂わせているのは、
重々しい装備の故であろうか。

行き先の数を競うような、駆け足のイカレタ旅もどうかと思うが、
目的を失ったように、その場に居座わってしまうと、
それはもう「旅」とは云えない代物になってしまう。

何年か前に、アメリカ映画に、
ジャック・ニコルソンの「アバウト・シュミット」というのがあったが、
あの光景がニッポンにも、すでに着実に押し寄せていたのである。
海外ニュースの片隅で、高い固定資産税を払えない人々の、
トレーラー暮らしの実態が紹介されていたが、
経済の市場原理の洗礼を受けたまま、定年退職後も合理主義に身を委ねれば、
「世間」のしがらみなども、メンドウに思えてくる事は容易に想像がつく。
しかし、その合理主義が「家庭」までも蝕めば、
そう思う束の間、「生活」はいとも簡単に崩壊してゆき、
旅に病んで、行き着く処は、路上生活ということにもなりかねない。

ある時、山奥の温泉宿に泊まっていると、
山峡は集中豪雨に襲われた。
やがて谷間には、打ち上げ花火のような爆音が轟き始めた。
「山が鳴る」という事は、渓谷の巨岩が激流に流され、
巨岩と巨岩が、あちらこちらでクルマの衝突のように激突し、
暗闇の谷底に響き渡っているのであった。

気が付くと、深夜の温泉宿の駐車場には、
同じような軽のワンボックスカーが何台も集まって避難していた。
それは無謀にも、山奥の何処かに何日も居座って、夜明かししていた、
老夫婦たちのクルマなのであった。


  

Posted by バイヤー君 at 19:16Comments(0)■JOURNY

2008年07月20日

■根室名物「オランダせんべい」



根室の駅で、
根室観光みやげ「名物オランダ せんべい」という、
ドッヂボールを小さくしたような、アミに入った、
お皿ほどの大きさの、モノを目にして、
「これはいったい何なのだ」と捉われて買ってしまった。

「せんべい」と書かれたそれは、まるで「せんべい」の常識をくつがえす、
湿気たダンボールのようなと言っては失礼かもしれないが、
それが、なかなか独特な、素朴な味わいなのである。
たしかに「日本唯一軟煎餅」と書かれている。
表示に偽りナシなのだ。

カタチはむしろ、でっかいワッフルのようであるが、
モチモチのその食感は、ワッフルのようなヤワなモノを、
もともと嗜好してはおらず、
あくまでも「和」の風味に甘く寄り添い、
「おせん」に留まりたいから「せんべい」なのであろう。

しかし形状・食感ともに「せんべい」の風体には程遠い、
その「オランダ せんべい」をワイルドに齧れば、
「何故、これがオランダなのか」という、素朴な疑問も沸き起こり、
これを食べた通りすがりの旅人は、
誰もニワカ雑学者になってしまうのであろう。

それぞれ独自な名称を騙っても、「お菓子」には所詮出所があるものだが、
ちょっとインターネットで「おらんだせんべい」を調べれば、
遠く長崎は平戸の観光みやげ「おらんだ焼」、
富山のお菓子屋さんの「おらんだ焼」。酒田の「オランダ せんべい」等々、
いにしえの日本海をゆく北前船の航路のとおりに、
いまでもその土地その土地に根付く伝承の痕跡を垣間見る事が出来る。

「椿考」(柳田國男)や「おけさ伝承」ならば、
「椿」の花や、「おけさ節」は、青森県の十三湖あたりまでであったが、
 ♪長崎から船に乗って 神戸に着いた ここは港町 女が泣いてます
 なんていう五木ひろしの流行歌もあったが、
「オランダ せんべい」は、長崎から船に乗って、
遠く転々と、アジアの極東、最果ての根室の街までたどり着いた訳だ。
そしてながい伝承の旅路を物語るように、
たしかに「日本唯一軟煎餅」として、
唯一無二の独特の存在感を獲得したのであろう。


  

Posted by バイヤー君 at 22:27Comments(0)■FOOD

2008年07月18日

■秘密の渓流 



釣師にはそれぞれ他言しない自分のグラウンドがある。
秘密の渓流がある。それを「秘渓」と呼ぶのだろう。

上流へ向かう源流志向の人も、河口から海へと向かう人々も、
釣は、描いたイメージのなかで、しばし時を忘れるのがいい。

しかし、アウトドア人気の高まりと共に、なんだか違和感も覚えて、
いまではほとんど釣に行かなくなってしまった。

源流部での大物幻想はロマンとしてあるのだけれど、
其処へ行けば、ほどほどに釣れるという事を知ったら、
ニジマス・イワナで尺モノの魚影を濃くするためには、
自ら釣らない事もアリ、という考えにも至るからだ。

自慢する程の大物は少なくなったし、ほかに食べるものはある。
それでも、以前訪ねていい思いをした渓流は気になって、
何年かごとに、足を向けることがある。
また何時か、竿を流れに・・・という下見なのだ。

ここは、十勝の或る美しい渓流。
地元の釣り好きはおそらく皆知っているのだが、
ニジ大物狙いか、ヤマベ派が主流で、
妙味に欠ける、オショロコマ(ミヤベイワナ)釣りの人は少ないから、
あまり立ち入らない。
情報を寄せ集めたつり雑誌を頼りに、
遠方より訪れる釣り人のクルマも、近辺の谷では多く見かけるが、
この沢には、やはりあまり立ち入らない・・・。

そんな人影の少なさもあってかどうか、
この沢の、澄んだ激流と、渓谷の美しさは、いつ訪れても変わることはない。
イワナの潜む淵の、苔生した巨岩に腰を下ろして、
急流の水飛沫を浴びていると、頭の中にも、やがて川は流れはじめるのだ。

日高山系・大雪山系。多くの谷と川があるけれど、
いつも豊富な水流と、太古の姿のままにある美しい渓流は、
いまや限られた場所、数えるほどしかないのである。



  

Posted by バイヤー君 at 18:52Comments(2)■TOKACHI

2008年07月18日

■バンビさんのはなし



夏の朝、
山奥の林道を走っていると、
前方にカルガモの親子が・・・。
と思って近づくと、
あれ嘴に特徴が。「チュウシャクシギ」だ。
めずらしいのでさっそくデジカメを探しているうちに、
親子は道端のヤブへ避難してしまった。
母鳥が、遠くへ逃げる振りをしていますが、
6羽のヒナは道端のすぐ其処のヤブの中なのです。
・・・残念だけど脅かさないでおこう。
と思ってクルマを遠ざけると、
続いて「鹿」飛び出し注意。

――おっと、「飛び出すな、クルマは急に止まれない」っていうけど、
――あれ、このクルマ止まっているじゃん。
なんだ、鹿かと思ったら、バンビさんでないの。



――行こうか、戻ろうか、ボクはミチを渡りたいのですからね。
そうですか。驚かしてゴメンなさい。



――ちょっと、ちょっと、ここはボクの庭です。
わかりました。そんなに耳を立てて警戒しなくていいです。



――あれ、応答無いな。ここボクの庭ですから・・・。でもなんかヘンだな。
警戒しながら、ゆっくりと横断。
そうかバンビさんは、ハイブリットカーに戸惑っているんだ。



――ボクはさいしょから、ミチを渡りたかったのですからね。
はいはい、バンビさんわかりましたよ。どうぞどうぞ、ご自由にしてください。



――それじゃあ、自由にしますからね。
おいおいバンビさん。そういったからって、
そんなところで、道草はないでしょう・・・。

気が付くと、バックミラーのうしろで、
先程の「シギ」の親子が、そろそろと林道を渡って行きました。
・・・・・・・・・・・・・・






  

Posted by バイヤー君 at 11:48Comments(2)■TOKACHI

2008年07月15日

■夏の花火 



むかし隅田川の花火が復活した時、
そばにいたので見に行ったら、大変な人出で、
「立ち止まらないでください」「歩いてください」と、
人の流れが交通規制されていて、
ただ人ごみの中を、ぞろぞろと歩いているだけであった。
しかもビルの谷間越しに見える花火は、
「えーこんなもんかい」という感じであった。
聞くところによると、空間が狭いので、
消防の関係で大きな花火は打ち上げられないということだった。

子供の頃は、ヨコハマに住んでいたので、
「花火」といえば、7月の横浜港の大花火大会で、
その頃見た、山下清の有名な花火の貼り絵と重なって、
それが花火大会のイメージになっていたのだ。

それで、十勝へ移り住んで、
夏に立派な花火大会を見ることができて、うれしかった。
それはもう20年以上も前になるが、
「十勝川の花火はスゴイ。すばらしいですよ。」
と周囲に自慢したところで、
ほかの花火大会を見ていなければ、
そんな事はどうでもいいことなのだ。

いまではすっかりメジャーになって、
いろいろショーUPされているようだが、
「花火」は「花火」だから、
距離を持って眺めれば、
立派な夏の風情に変わりはない。

今年の十勝川花火大会は、
十勝毎日新聞が8/13(水)。
北海道新聞が8/30(土)。
夏の十勝川は、川霧が発生しやすいが、
ほどよい風の流れで、澄み渡る夜空になったらいいですね。


  

Posted by バイヤー君 at 07:40Comments(2)■TOKACHI

2008年07月14日

■わたしの宝物



LPレコードからCDへ、ポピュラー音楽・JAZZ・クラシック・・・。
ずいぶん多くの音楽を耳にしてきたものですが、
最近はほとんどレコード(CD)を買わなくなってしまった。
映画のDVDでも、音楽CDでも、本でも、
レンタルとかがまったく苦手な、中高年なのです。

ちゃんと身銭を切って、
観たり・読んだり・聴いたりしなくては、
演奏家や作者に、なんだか申し訳なく思うので、
一貫して、お小遣いで、「買う」事を正当化している訳ですが、
その分、けっこう辛口にもなります。
やはり、借り物とかだと、人生も「借り物」のように思えて、
ちゃんと観たり、聴いたり、読んだり出来ないのは、
まったくの個人的な都合です。

それで、1500枚位はあるCDの中から、
何がBESTだろうかとか、ふと思ったとき、
いつも思いつくCDの一枚がこれなのです。

もう10年近くも前に聴いた作品ですが、
同じジャンルでは、これが一番気に入っております。
たまたま出会った一枚ですが、
後にも先にも、いまも「わたしの宝物」に変わりありません。
新発売もいいですが、忘れ難いこともいいものです。
本物を求めるファンに、お薦めいたします。

【そのCDを初めて聴いた時のメモを以下貼り付けます】

■ラウル・ガルシアのCD「郷愁のインカ」
RAUL GARCIA GUITARRA PERUANA

・・・仰げば尊しわが師の恩。教えの庭にもはや幾年。
そんな大切な卒業式の歌も今は歌われないのだという。
この季節(弥生三月)は、
人それぞれに、あらたな世界への旅立ちの時だ。
そんな時、あかるい陽射しの隙間を通り過ぎる北風に似て、
ふと過ぎてきた日々が蘇ることがある。
母校の校庭に、時限の始めと終わりに鳴り響いたチャイムのメロディ。
そのメロディが、じつはペルーの民話にもとづく伝承の曲だということを知ったのは、
ラウル・ガルシアのCD「郷愁のインカ」であった。
CDの解説には、
ソンコ・マージュ氏がラウル・ガルシアとの「出会い」について記している。
「失われた栄光に哭くギター」とタイトルにあるように、
ラウル・ガルシアのギターの響きは独特である。
たとえばそれは、吹きさらしの大地で、風に抗う旗のように、
ギターラのその音は、
一音一音深みと拡がりをもって、しかも鮮やかに響いてくるのだ・・・・。

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EL CONDOR PASA/コンドルは飛んで行く。
ADIOS PUEBLO DE AYACUCHO/さらばアヤクーチョの村よ。
SOÑABA/昔みた夢。
HELME/エルメ。
他全12曲
製品番号 TKF-2818
株式会社 テイクオフ TEL042-582-4047
  

Posted by バイヤー君 at 17:39Comments(1)■MUSIC

2008年07月13日

■「たそがれる」



暮れなずむの、なずむを「泥む」と書くのは、
これは昔の田圃は深く水に浸かるから、
難儀したことに由来するという事を読んだことがある。

それで、農耕民族の習い性で、
スリ足や足踏み(ヘンバイ)が、「舞い」や「踊り」となって、
伝統芸能に昇華する。(武智鉄二「伝統と断絶」)
日本人は、歩き方にもその特徴が染み付いてしまった。
その一例が「ナンバ歩き」だろう。

海外の空港などで、遠くから来る一団が日本人なら、
歩き方に特徴があるから容易にわかる。

また夕暮れ時は、暗くて誰か彼かも見分けがつかなくなるから、
「たそかれ」が「たそがれ」になったと言うことだ。
いずれにしても、「闇」が世界を覆うときは、
魑魅魍魎の跋扈する時でもあるという恐れがコトバの背景にはある。

・・・そういう染み付いている、立ち居振る舞いはともかく、
とらわれなく、固定概念とかの「めがね」をとおしてではなく、
いまを在るがままに、生きている事の瞬間瞬間を、
実感してみたらどうなのよ。と思う映画が、
『めがね』なのだ。
故に登場人物は一様にメガネをかけている。

その「瞬間」「瞬間」を実感することを、
「たそがれる」とでも呼ぼうと言うのだ。

――おはようございます。
――きょうもいい天気です。

「ばしょ」「じかん」「ふうけい」それぞれに、
それぞれの「ひと」の実感がなければ、「たそがれる」こと自体が、
「概念」のうちに溶解してしまう。
だから南の島で、朝ごはんに、なんで「塩鮭」や「梅干」なのかよ。
という観る者の「概念」さえも挑発する、
「たそがれる」ことへのしかけがほどこされているのだ。
それは「かき氷」の刹那であり、「地図」さえも実感に添ってゆく、
いってみれば、「脱構築」へのアプローチなのであろう。

「何が自由か、知っている。」

スクリーンの向うの海と空を眺めながら、
ばくぜんと思うのである。
・・・自分を何処かへ置き忘れたママになっているのだろうか。
・・・そもそも自分なんて在るのかよ。
・・・我思う故に我在りとかいうけれど、受売りじゃん。
・・・ワレなんて在るのかよ・・・と、
・・・デカルトなんてローカルルールかもしれないぜ。


■『めがね』
監督・脚本 荻上直子 
出演 小林聡美・市川実日子・加瀬亮・石光研・もたいまさこ 2007年作品


  

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2008年07月11日

■太陽が沈むと 



まだインターネットなど無かったころ、
北海道へ移住したら、
ラジオのナイター中継が聞けなくなるけど、しょうがないナ。
と思っていたら、太陽が沈むと、ちゃんと聞こえてくるのでした。
ニッポン放送ショウアップナイター。
東海ラジオガッツナイター。
毎日放送MBSタイガースナイターとか、
ABCフレッシュアップナイター・・・。

北海道の山の中でラジオから流れる、
首都高速道路交通情報も妙に場違いで懐かしかった。
いまでは、プロ野球そのものに興味は薄れて、
ラジオも聴かなくなってしまった。

・・・それでなんとなく、そのままになってしまったが、
たまたまネットを見ていたら、「そうだったのか」とわかりました。
笑われるかも知れませんが、以下引用します。

【電離層】
 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』より。

  電離層は熱圏内(高度約80kmから500kmの間)に位置し、
  電子密度の違いによって、下から順に
  D層(80km)、
  E層(100-120km)、
  F1層(170-230km)、
  F2層(200-500km)の4つに分けられる。
  上の層に行くほど宇宙線は強く、
  多くの電離が生じるため電子密度は大きく、下の層は電子密度が小さい。
  夜間は太陽からの宇宙線が届かないため、電子密度は昼間よりも小さくなる。
  最下層のD層は、夜間には太陽からの宇宙線があたらないため、
  電離状態を維持することができずに消滅する。
  またF1層とF2層も夜間には合併して一つのF層(300-500km)となる。
  このことから、昼間と夜間では電波の伝搬状態が変化する。

  また11年周期の太陽黒点の増減によっても大きく変化する。
  このことをサイクルといい、
  1989年頃の太陽黒点の極大期をサイクル22。
  2000年頃をサイクル23。2011年頃をサイクル24…という。
  なお、観測が開始された初の極大期・サイクル1は、
  ダルトン極小期の終わった1829年である。

  ■電離層による電波の伝わり方
  周波数による違い
  【長波】は、昼はD層で反射して、
  D層が消滅する夜はE層で反射される(中波に似る)。
  【中波】は、昼はD層で減衰されてしまうため、数十キロ程度に留まるが、
  D層が消滅する夜は主にE層で反射され、
  数百から1000キロ以上の遠くまで届くようになる。
  【短波】は、常にD層を通り抜けE・F層で反射されるが,
  昼と夜では電離層の状態が異なるので伝わり方が変わる。
  (昼は高い周波数が、夜は低い周波数が反射されるようになる)

  VHF・UHF以上の高い周波数(短い波長)の電波は、
  電離層を通り抜けてしまうので遠くには伝わらない。
  (地上用としては、基本的に見渡せる距離しか伝わらない)
  逆に、電離層を通り抜ける性質を使い、
  人工衛星や電波天文学など宇宙との通信に利用される。
  但し、電離層を通り抜けている間は、伝播速度が遅くなるため、
  GPSでは測位誤差の原因になる。
    (以下略)

―――じつは、
1824年政府公認第一号蒸留所となった「グレンリベット」の
歴史の背景などを調べていたのですが、
その頃は、太陽の黒点が無くなる、「ダルトン極小期」の頃で、
それとかを調べていたのですが・・・。
その話はまたあとで。



  

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2008年07月11日

■北の岬の夏 



わー逆光だ・・・。
風もなく、穏やかに晴れた、夏の或る日。
納沙布岬を訪ねました。

北の海は昆布漁の最盛期を迎えています。
岬の双眼鏡を覗くと、漁師の姿がクローズアップされます。

双眼鏡を左へ移動させると、
わー巨大なロシアの警備艇だ・・・。

風景は
にわかにフリーズされて、
ここは北方領土の海なのです。
・・・・・・・・・・。


  

Posted by バイヤー君 at 07:36Comments(1)■JOURNY

2008年07月09日

■かもめ食堂


    ●カタチは違うけれど、近所のパン屋さんの「シナモンロール」

皆さんはもうご存じと思いますが、
2006年に出来ました「かもめ食堂」を見てきました。
「かもめ食堂」はフィンランドのヘルシンキにあります。
つまり映画のはなしです。
主人のサチエさんは、レストランじゃなくて食堂にこだわります。
それで、メインメニューはウメ・シャケ・オカカのおにぎりです。
おにぎりはニホン人のソール・フードだからです。

アキ・カウリスマキの映画で見覚えのある、透明感ある白夜の街角に、
とつぜんあらわれた小さな「かもめ食堂」。
さっぱりと小奇麗なイスとテーブルが並びますが、
お客様もさっぱり来ないのです。

やがてひょんなことから、チキュウはひとつオーガッチャマンと、
「ガッチャマン」の歌詞をすべて覚えているミドリさんと会い、
ミドリさんも食堂のお手伝いを始めます。
  ――毎日まじめにやっていれば、そのうちお客様がやって来ますよ。
  ――それでもダメならその時はその時、やめちゃいます。
  ――ガッチャマンの歌詞を全て覚えている人に悪い人はいないですよ。
  ――世の中って、知っているようで知らない事ってけっこう多いのですよね。

また、旅行鞄が届かず足止めされたマサコさんも食堂に迷い込んできます。
  ――いいわね。やりたいことをやれて。
  ――やりたくないことは、やらないだけです。

  ――いらっしゃい。 ――コンニチワ。
  ――ハイどうぞ。 ――ありがとう。 ――どういたしまして。
  ――コンニチワ。 ――いらっしゃい。 ――おかえりなさい。 
こうして「かもめ食堂」は、じょじょに地元のお客さんに受け容れられてゆきます。

【Ruokala Lokki かもめ食堂のメニュー】 
おにぎり(梅・鮭・おかか)
鮭網焼き
豚の生姜焼き
とんかつ
肉じゃが
鶏の唐揚げ
卵焼き 
トマトサラダ
コーヒー
シナモンロール
・・・・等々。

  ――でも、ひとはずっと同じではいれないものです。
  ――人はみな、変わってゆくものですから。
  ――いい感じで、変わってゆくといいですね・・・。

■サチエさんも、ミドリさんも、マサコさんも、
びみょうなバランス感覚というか、ひとはみなスタイルを持っている。
まるで波間に浮かぶカモメのように、
身の丈ほどの軽やかさで振舞おうとする、
その空気感が、
「かもめ食堂」には漂っていて心地よい。

■そして、ふと気付くのだ。
「寛容」って、自分のスタイルがあってはじめて出来るのだね。
その逆に、自分のスタイルが出来ていなかったら、
というか、自分を失うと、人も受け容れられ無くなるのかな・・・。

  ――なあんて、たったいま思いついた、こじつけですけどね。
     ・・・これ映画のセリフ。

■『かもめ食堂』 
監督・脚本 荻上直子 
出演 小林聡美 片桐はいり もたいまさこ 2006年作品 


  

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2008年07月07日

■ロバート・アルトマン



ロバート・アルトマンの訃報から1年過ぎて、
DVDで「今宵、フィッツジェラルド劇場で」を観る事が出来た。
まだワカモンだった頃、「M★A★S★H」「ビッグ・アメリカン」を観て以来、
アルトマン映画の魅力は、いま思い返せば、
つねにある種の「謎」が含まれているということだろうか。
「謎」=不可知=ゆえにその作品は、つねに「失敗」と見紛う魅力を秘めている。
その「謎」も、とうとう完結してしまった。
だから、遺作「今宵、フィッツジェラルド劇場で」を鑑賞することは、
「アルトマンさん、ほんとうにお世話になりました」
という、ある感慨を込めて、映像を仰ぎ見ることになるのであった。
遺作「今宵、フィッツジェラルド劇場で」は、
そんなひとびとが抱く思いも、先刻お見通しというように、
「慈愛」に満ちた、アルトマンの世界なのであった。

ここで、まったく個人的に、鑑賞した作品から、
ロバート・アルトマンの『私的ベスト10』を並べてみます。

■ポパイ Popeye (1980)
■今宵、フィッツジェラルド劇場で A Prairie Home Companion (2006)
■ニューヨーカーの青い鳥 Beyond Therapy (1986)
■ゴスフォード・パーク Gosford Park (2001)
■ウエディング A Wedding (1978)
■ギャンブラー McCabe & Mrs. Miller (1971)
■ロング・グッドバイ The Long Goodbye (1973)
■ナッシュビル Nashville (1975)
■ショート・カッツ Short Cuts (1994)
■ボウイ&キーチThieves Like Us (1974)

ほかに
■宇宙大征服Countdown(1968)
■雨に濡れた歩道 That Cold Day in The Park (1969)=未見
■M★A★S★H マッシュ MASH (1970)
■ビッグ・アメリカン Buffalo Bill and the Indians, or Sitting Bull's History Lesson (1976)
■ロバートアルトマンのヘルス Health(1980)=未見 
■ストリーマーズ/若き兵士たちの物語 Streamers (1983)
■ゴッホ Vincent & Theo (1990)
■ザ・プレイヤー The Player (1992)
■プレタポルテ Pret a Porter (1994)
■カンザス・シティ Kansas City (1996)
■バレエ・カンパニー The Company (2003)
・・・等。

たとえば、マイベストの「POPEYE」である。
・・・ドシャ降りの海をボートに乗って、セーラーマン「ポパイ」がやって来る。
着いたイカレタ重税の島が「スゥイートヘブン」なのだ。
ドタバタのあげくに、スゥィーピーが誘拐されてしまうという、
まったくもって陰惨な嬰児誘拐ストーリーなのであるが、・・・

映画「ポパイ」は、いまの世の中を予見している。
こんにちに至る、擬制としての社会が、アルトマンにはすでにとっくに見えていたのだろう。
ゆえに、この作品は、リアルをはぐらかすように、まったくのデタラメを装っている。
めちゃくちゃの限りを尽くして、これはマンガなのですよと思わせたかと思えば、
歌がはじまり、いや、ミュージカルなのですよとはぐらかす。
しかも、その歌は、ことごとく調子ハズレで音程を外し、いったいこれは何ナノだ。
と多くの大衆がマユを潜めるような、
全く、ろくでもないドタバタ劇に偽装された、あきれる傑作なのだ。
その証拠といってはなんだが、
アルトマンは当然の如く、業界から長いあいだ、忌避されることになる・・・。

「アルトマンさん。ほんとうにどうもありがとう」



  

Posted by バイヤー君 at 22:46Comments(0)■MOVIE

2008年07月06日

■Chichibu New Pot のサンプル



秩父の新しい蒸溜所が稼動しはじめた、「イチローズ・モルト」の
Chichibu New Pot で抽出された、樹液系サンプル 63.5% 
を昨夜はKAWATA理事長がCLUBへ持参した。

さっそく、ありがたくサンプルを試させていただいた。

これがあたらしいポットスチルが生み出したスピリッツ・・・。
麦畑のパースペクティブがグラスの廻りに漂っていますね・・・。
テイストはあくまでも、まろやかで、まるく収まっている感じ・・・。
これから、時を重ねて、どのように熟成されてゆくのでしょうか。
ほんとうに楽しみですね。

――ついでに言えば、
先日(7/4)記した、80年代の【地ウイスキー】
「ゴールデンホース」「オールドハーレー」の
東亜酒造は2000年に民事再生法の適用を申請した。
熟成を続ける400樽のモルトは行き場を失い、
破棄される運命にあったが、
創業家筋の肥土伊知郎(あくと・いちろう)氏が、
「ベンチャーウイスキー」を興し、
笹の川酒造(福島県郡山市)に、その樽を引き取ってもらい、
樽は熟成を続けることが出来たのだという・・・。
それが「イチローズ・モルト」なのだ。

そして今年、いよいよ自前の秩父蒸溜所が稼動しはじめた。
「イチローズ・モルト」は、新たなる一歩を歩み始めたのだ。


  

Posted by バイヤー君 at 12:03Comments(0)■MALT WHISKY

2008年07月05日

■酒の寿命・ヒトの寿命



――「昔」と違って、いまは寿命が延びたから、ながいきが出来る。
そんな世間話を耳にするたびに、イライラしている。

・・・くらしの雑音をしずめるように、
BARのカウンターで、グラスのモルトをかたむけて、
明りに透して眺めたりしている・・・。

――いまは高齢化社会と言われているが、誰も「昔」を知る由もない。
わずかに残された書物から得る知識によれば、
たとえば、歴史に名を残す、平安時代から江戸末期に至る、
名僧と言われる人々の寿命はどうだろうか。

空海 62   最澄 55   法然 79   栄西 74   明恵 54   親鸞 90   
道元 53   日蓮 60   一遍 50   周信 62   中津 72   一休 87   
蓮如 84   天海 97   崇伝 66   良寛 73

幼少時のリスク、人為的な戦争、延命治療を別とすれば、
成人してからのヒトの寿命は、1000年前もいまも、さほど変わらないのではないか。
「平均寿命」とかいう言葉のひとり歩きで、なにか錯覚してしまうのだ。

「集合」と「集合」の対比としての「平均」は有効だろうが、
「全体」の「平均」は、まったく無意味であろう。
たとえば、試験は合格する事が目的で、
平均値を言ったところで何の意味もないだろう。

以上は例えにすぎないが、
知らず知らずのうちに、「わかりやすさ」という理由の下に、
様々な数値、そして記号が一人歩きを始める。
しかし、わかりやすくて、万人に受け入れられるものは、
すべてフェイクと言って間違いない。

情報の受売りは、表示依存症を異常増殖させる。
そのてんでんバラバラの傲慢な恣意性の隙間に、
訳知りのような、「基準」がまかり通る。
「改革」を装い、数値を盾に、さまざまな「基準」を押し付けてゆく。
基準は、あらたな基準・仕事を生み、あらたなポストを生む。
しかし、このように捏造されるシステムは、
地に足が着いていないから、つねに綻びを孕み自壊してゆく。
環境を破壊し、一見容易に世界を覆ってゆくかに見えるが、
多様性への非寛容な、あらゆる「基準」・「数値」は、
不自然=フェイクなのだ。

・・・それもあなたの「基準」にすぎないだろう。
そんな声のまえに、思考は、分断され、ひと塊りとなってフリーズしてゆく。
そうして世界は「抽象」化の中で「堕落」してゆくのだろう。
このリアルを蔽い尽くすバーチャルの霧の中から、
人は果たして、帰還できるのであろうか・・・。

既成概念を乗り越える、新たな理論は、
それが正しくとも、これまでの理論では包括できず、袋叩きにあう。
新しいものは、常に少数派で、受け入れられるまでには、時間がかかる。
しかし、多くの人にわかる頃は、すでに手遅れなのである。
そうして時代は絶え間なく、流れる雲のように転換してゆくのだろう。

・・・ああ酔って、何言っているか判らなくなってきたから、帰って寝るか。



  

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2008年07月04日

■THE WHISKY 名酒グラフィティ 



本棚の中から、一冊の文庫がポロリと落ちた。
■新潮文庫『名酒グラフィティTHE WHISKY』
-琥珀色のワールド・カタログ- バッカス・コレクターズ編 
1985年刊で判を重ねているから、25年前のカタログ本だ。
カタログ本の宿命で、すぐに絶版となったであろうが、
その頃は、辻静雄氏の「パリの料亭」とか「ワインの本」とか、
カラー文庫が人気であった。

ガットのウルグアイラウンドを背景に、日本の高度成長は加速する。
海外旅行が、身近なものとなって、
国内では八万円した「バランタイン30年」が、
香港の免税店では、たしか二万円位だったから、
三本買って帰れば、旅費が出る。というご時世であった。

そんな時代を思い出しながら、
おもわずニヤニヤ、クスクスしながら、拾い読みしていたら、
はじめは、なんとも時代遅れと思っていたものが、
これはこれで、「時代」の貴重な資料だと思い始めて、
こうして駄文を書いている。
以下一部を引用しながら、
ニッポンのシングルモルトウイスキー揺籃の頃を思い出している。

  【ロイヤル・セント・ジョージ ROYAL St GEORGE】 
  スコットランドの北の果て、スペイ川のほとりの蒸留所で生れたシャープな酒。
  伝説の騎士ロイヤル・セント・ジョージの勇敢さをたたえて、
  その誠実さと深い味わいを今日に伝える。
  五年ものスタンダードは、アイレイ・モルトが決め手の上質なスコッチ。
  八年ものは、ソフトでスムーズな味わいが特徴。
  十二年ものは、すぐれたモルトをふんだんに取り入れた完璧な仕上がり。
                                  (―133Pより引用)
 
最近では見かけないが、
「ロイヤル・セント・ジョージ」(バテッドモルト)は確かにあったな。
しかし、いまとなっては、その解説の文章は、
読めば読むほどに、訳の判らない不思議なシロモノだ。
・・・言おうとする事は判るのだけど、
こういう感じで、すべてのボトルの説明をする事は、ほんとうにご苦労さんでしたと・・・。


  【オールド・ブッシュミルズ OLD BUSHMILLS】 
  北アイルランドに現存する唯一のブランドで、
  アイリッシュ・ウイスキーの最古参。
  豊かな風味と独特のコクはストレートで。
  また、レモンと砂糖を入れたお湯割りも
  かぐわしいアイリッシュ・パンチとして楽しめる。
                       (--137Pより引用)

・・・そうか、この本を読んで、
20年前は「ブッシュミル」をレモンと砂糖を入れたお湯割りで、
飲んだかたがたもおおくいらっしゃったのか・・・。
なんだか感無量という感じではないか。

そして最後のほうには、国産の、
「特に人気の高い売行き良好品」の【地ウイスキー】なるものが紹介されている。
一升びんの中身は、ウイスキーなのだ。以下一部を抜粋してみよう。

  ■グレン・アーマー(二級・1800ml)富士醗酵工業1800円
  ■オールドハーレー・デラックス(二級・1800ml)東亜酒造1730円
  ■チェリー・ウイスキー(二級・1800ml)笹の川酒造1630円
  ■ハイランダー(二級・1800ml)ヘリオス酒造1650円
  ■ネプチューン・ウイスキー(二級・1800ml)合同酒造1730円
  ■ホワイトオーク・セレクト(二級・1800ml)江井ヶ嶋酒造1780円
  ■ダイヤモンド・ドリーム(二級・1800ml)協和発酵工業1730円
  ■45ウイスキーE・E(二級・1800ml)東洋酒造1610円
                        (―197.198Pより引用)
 
そんな訳で、モルトファンの皆さんには、
古書店等でこういう本を見つけたら、是非購入をお薦めいたします。

  

  

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